性別を理由とする差別の禁止(募集・採用)

事業主は、労働者の募集ならびに採用について、その性別に関わりなく均等な機会を与えなくてはいけません。

募集・採用について事業主が講じなければならない措置

一つの部署において男女の比率が著しく不均衡であるため、均衡がとれるように男女いずれか少ないほうを募集・採用する(ポジティブ・アクションといいます)ことを除いて次の措置を講じることは禁止されています。

  • 募集・採用の対象から男女いずれかを排除すること
    1. 一定の職種(総合職や一般職など)、一定の雇用形態(正社員、パート労働者など)について、募集・採用の対象を男女いずれかのみとすること
    2. 募集・採用に際して、男女いずれかを表す職種の名称を用い、または「男性歓迎」「男性優先」「主として男性」「女性向きの職種」「女性歓迎」「貴女を歓迎」などの表示を行うこと
    3. 男女ともに募集の対象としているものの、応募の受付や採用の対象を男女いずれかのみとすること
    4. 派遣元事業主が、一定の職種について派遣労働者となろうとする者を登録させるにあたって、その対象を男女いずれかのみとすること
  • 募集・採用にあたって、女性についてのみ「未婚者であること」「子がいないこと」「自宅から通勤すること」「容姿端麗であること」などを条件として、募集・採用条件を男女で異なるものとすること
  • 能力・資質の有無の判断方法や基準を男女で異なる扱いをすること
    1. 筆記試験や面接試験の合格基準を男女で異なるものとすること
    2. 男女で異なる採用試験を実施すること
    3. 男女いずれかについてのみ採用試験を実施すること
    4. 採用面接において、結婚の予定の有無、子供が生まれた場合の継続就労の希望の有無等一定の事項について女性に対してのみ質問すること
  • 募集・採用にあたって男女いずれかを優先すること
    1. 採用の基準を満たす者の中から男女いずれかを優先して採用すること
    2. 男女別の採用人数を設定し、これを明示して募集すること
    3. 男女いずれかについて採用する最低人数を設定して募集すること
    4. 男性の選考を終了した後で女性を選考すること
  • 求人内容の説明等募集・採用の情報提供について、男女で異なる取扱いをすること
    1. 会社概要等の資料を送付する対象を男女いずれかのみとしたり、資料の内容、送付時期等を男女で異なるものとすること
    2. 求人説明会の実施についてその対象を男女いずれかのみとし、または説明会の実施時期を男女で異なるものとすること

例外

次の場合には、性別に関わりなく均等な機会を与えていないとは解されず、法違反とはなりません。

  • 次の職種に従事する労働者
    1. 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女いずれかのみに従事させることが必要である職務(モデル、俳優、歌手等)
    2. 守衛、警備員等のうち防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職務(現金輸送車のガードマン等)
    3. 宗教上、風紀上スポーツにおける競技の性質上その他の業務の性質上男女のいずれかのみに従事させることことについて上述1,2と同程度の必要性があると認められる職務(神父、巫女、女性更衣室の係員等)
  • 労働基準法第61条第1項[年少者の深夜業の禁止]、第64条の2[女性の坑内業務の就業制限]若しくは第64条の3第2項[女性の危険有害業務の就業制限]の規定により女性を就業させることができず、又は保健師助産師看護師法第3条[この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう]の規定により男性を就業させることができないことから、通常の業務を遂行するために、労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え又は均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
  • 風俗、風習等の相違により男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合その他特別の事情により労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え又は均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合

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