その他の禁止事項

起業、開業したときに労働者を雇用する労働契約を締結する際、賠償額を予定した契約、労働することを条件とした前借金相殺の契約、強制的に貯蓄させる契約、未成年者に代わって親権者などとする契約を禁じています。

賠償額予定等の禁止

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはいけません。

違約金とは、労働者が契約期間中に離職した、といった労働契約の不履行が生じた場合に、損害発生の有無にかかわらず労働者本人や身元保証人が支払うべきものとして予め定められた金銭をいいます。

損害賠償額の予定とは、労働者の契約不履行があった場合に、実際の損害額にかかわらず一定の金額を損害賠償額として定めておくことをいいます。

労働者の故意または重大な過失により会社の物品(例えば自動車)を損壊した場合、その修理に要する費用を労働者に請求することは、この賠償額予定等の禁止には該当しません。

前借金相殺の禁止

使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺することを禁じています。

ただ、労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融、弁済期の繰り上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないもの(社内住宅資金貸し出しなど)は、前借金相殺の禁止における債権とはされません。

強制貯蓄の禁止

使用者は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせ、または貯蓄金を管理する契約をすることは禁じられています。

ただし、労働者の委託を受けて貯蓄金を管理しようとする場合は、管理規定を労使協定で定め、一定の措置を講ずればよいとされます。(労働基準法第18条第2項~5項、労働基準法施行規則第6条など)

親権者または後見人との未成年者の労働契約の禁止

親権者または後見人は、未成年者に代わって労働契約をすることは禁じられています。

親権者もしくは後見人または所轄労働基準監督署長は、労働契約が未成年に不利であると認められる場合においては、将来に向かってこれを解除することができます。

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